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個人的な日々の記録です。

いのちの食べかた OUR DAILY BREAD

いのちの食べかた [DVD]

いのちの食べかた [DVD]

これはあんまり観ない方が良さそうな映画だなぁ・・・と、かつて観た『スーパーサイズ・ミー』というマクドナルドを30日間食べ続ける実験映画が若干トラウマになっていることもあって、警戒していたこの映画。結局気になったので観てしまった。
内容は、観てビックリしたんだが、インタビューもナレーションも一切なし。言葉で主張してくるわけではなく、ひたすら淡々と現実を映し続けるというスタンス。おまけに、多分狙ってやっていると思うんだが、その映像がやたらに美しい。太陽の光降り注ぐ中、畑に左右対称に伸びる分散機のアームだとか、並んだ牛の背中の白黒の模様だとか、水に浮かんだ大量のりんごの赤と黄色だとか。それらの映像をポイと渡されただけでこちらは放置されるので、最初は戸惑うばかり。・・・こういっちゃなんだが、正直眠気を誘われる・・・。映像だけで眠気も吹き飛ぶくらい衝撃的な内容と言えれば良かったんですけど、私は、一回寝ました。すんません。とにかく、機械化して大量生産されている鶏だとか、人間が食べるピーマンに完全防護服で農薬を撒いている人間だとか、無理やり雌牛の上に覆い被せられてその気にさせられた挙句に精子だけ採取されている牛だとか、機械が行う大量屠殺だとか、すごいスピードで魚をさばく機械だとか、きっとそんな感じなんだろうなあ・・・と想像していた食料生産現場の様子を、実際の映像で現実としてつきつけてくる映画です。
その中でも「あ゛ーーーーー」となったのが、鶏の大量生産工場(←養鶏舎とか言うより、工場というほうがしっくりくる)。何かの苗でも育ててるのかと思うような狭いゲージの中で大量生産されたヒヨコが、ミカンかなんかと勘違いしてるんじゃないかというような扱いでベルトコンベアーに乗せられて分別されていく(ゲージの中で結構死んでいるのが伺える)。生き物がドバババババって、機械で箱に分けられていくんだよ・・・この明らかに一線を越えた発想力・・・。缶詰工場なら「すごいねー」で済むけども、これはかなり萎えた。ここまで機械化された生産現場の現実。この映像は、是非観て欲しい。スーパーの鶏肉売り場で一瞬悩まされること請合い。


というわけで、youtubeにて予告映像をどうぞ。
機械によるヒヨコの仕分けの光景がチラッと見れます。

(14本目 ★★★☆☆