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個人的な日々の記録です。

ぜんぶ、フィデルのせい

ぜんぶ、フィデルのせい [DVD]

ぜんぶ、フィデルのせい [DVD]

これは、かわいい映画だったな。
こないだ観た『チェ28歳の革命』からゲバラつながりのタイトルで選んだんだけど、フィデルはほぼ関係ないよ(笑)舞台はフランス。スペインの貴族階級出身で弁護士のパパに雑誌マリ・クレールの記者のママ。ボルドーに住む資産家のおじいちゃん、おばあちゃん。そんな家庭に育ちブルジョワ生活を満喫している主人公アンナ。ところが、フランコ独裁政権下のスペインからパパの妹が逃げてきたことをきっかけに、パパが共産主義の活動家に転向。引っ越して家は狭くなるし、変な人の出入りが激しくなるし、学校で大好きな宗教の授業は受けちゃいけないって言われるし、アンナと家族の生活はどんどん変わっていく。そんな中、キューバ出身の家政婦の繰り言を受けてアンナが言う。「じゃあ、ぜんぶフィデルのせいなのね?」(←ものすごい飛躍)
「女の子」が主人公の映画ってどうも好きになれないんだけど、これは好きだった。主人公の女の子がかなりの文句たれの不機嫌さんなんですけど、その不機嫌顔がねぇ、秀逸なんですよ。奈良美智の絵のよう。顔立ちは良くて、笑うとかわいらしいのに。最初は不満ばかりをぶちまけていたアンナも、段々自分なりに考えて理解をしようと努力していくんだけど、その中でいろいろと子供らしい勘違いが入るのが、これまたかわいらしい。それと忘れちゃいけないのが弟フランソワ。緊迫した場面ですっとぼけた発言をして、周りの肩の力をふっと抜いてくれる、とても愛らしくも賢い存在だ。
「子供って面白いよね」とうことをとても心地よく描いている映画でした。
しかしこの家庭、パパがかなりヒステリックで問題ありなあたりが、腑に落ちなかったんだけど。ラテン系って、あんなもん?

(13本目 ★★★☆☆