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個人的な日々の記録です。

京極夏彦/ルー=ガルー 忌避すべき狼

ルー=ガルー ― 忌避すべき狼

ルー=ガルー ― 忌避すべき狼

近未来が舞台という京極先生の作品の中でも異色なイメージの本作。他人との接触がほぼなくなり端末が世界となっている世の中。そんな世の中で育つ少女たちが連続殺人事件に巻き込まれ、経験したことのない自分の感情の動きに戸惑いつつ、犯人への核心に近づいていく。
犯人は割と想像しやすくてミステリとしてはありがちな展開な感じがしたけれど、この世界観は、舞台を近未来に移してもやっぱり京極ワールドだなあ。設定が近未来とインプットがそもそも違うから必然的にアウトプットが変わってくるんだけど、間を通しているフィルターは妖怪話もこの作品もまったく同じという印象でした。まあ面白かったけど、やっぱり文体とかは少々違うわけで、そこは京極堂シリーズとか百物語とかの方が好きだな。