アイザック・アシモフ/ネメシス
- 作者: アイザックアシモフ,Isaac Asimov,田中一江
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1997/02
- メディア: 文庫
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それはさておき。
本作は、いづれの小説の続編でもないとされているものの、ファウンデーション・シリーズのはるか昔の話かな?と思わせる内容の作品。2222年、地球の植民人工衛星ローターは太陽の伴星を発見しネメシスと命名。パイパー・アシスト駆動を開発していたローター人たちは、地球からの独立を目指して衛星ごと太陽系を脱出した。人類初太陽系を離れたローターは、2年の歳月をかけてネメシスに到達し、ネメシスの衛星エリスロの人工衛星となり生活を始めるのだが・・・・。
登場人物にはびっくりするぐらい魅力がなかった。。。キーマンとなる15歳の少女マルレイネはイライラするくらいかわいげがないし、その母親のユージニアはすぐにヒステリーを起こすし、エリスロの施設の指揮官ジェナールは単純すぎる。なんだこいつらは(笑)と思いながら読みました。でもさすがは、アシモフ。設定が細かく、いろいろな架空の理論が根気よく説明されていて面白い。こうやって久々に読んでみると、最近のSF映画もアシモフの時代の発想からあまり発展していないのがよくわかる。(この『ネメシス』は1989年、『ファウンデーション・シリーズ』なんて1950年代に書かれたものだ。)それくらい先駆者だったのだよなあ。
以下、著者のことばより。最後の一文にアシモフの創作活動の細かさが垣間見られると思いました。苦役か。
この本は銀河帝国興亡史シリーズ、ロボットもの、銀河帝国もののいずれの続篇でもない。これは一個の独立した物語である。誤解のなきよう、いちおうご忠告まで。むろん、いつの日にか、わたしは、この作品と他のシリーズとの接点をなす小説を書かないともかぎらない。とはいうものの、書くと決まったものでもないのである。なんといっても、さまざまに錯綜した未来史を書きつづるという苦役に、このわたしの頭脳がいったいいつまでもちこたえられるものやらわからないではないか?